GLP担当者養成講座 第12回Basic Training Course」開催報告

2003年9月9日

GLP担当者養成講座
第12回Basic Training Course 開催報告
教育委員会

第12回 GLP担当者養成講座Basic Training Courseが平成15年7月3日,4日の2日間にわたり,浜松ACT CITY 研修センターで開催されました.
受講対象者は前回同様、原則としてQAUとしての実務経験2〜3年の方としました.
今回の受講者数は67名で,内訳はGLPのQA担当者47名,非GLP試験のQA担当者3名,その他の業務担当者が17名でした.
前回のGLP担当者養成講座Basic Training Course受講後のアンケートを参考にして,今回は次のような点を考慮し,講師の先生方にもご協力を得て,より充実した内容の研修となりました.
改善点としては,
1.演習問題の解答,解説に十分な時間をさき,丁寧な説明を行う.
2.講義内容の重複を避けるため,教育委員会−講師間で事前に協議を行う.

講座のプログラム,講義内容概要等は以下の通りです.
なお,各講義終了後に演習問題の解答と模範回答が発表され,すべての講義終了後に各講師への質疑応答が行われました.

7月3日(木)

・開催挨拶 (田飼 俊宣 教育委員長)

・GLP一般情勢報告 (第一製薬 橋爪 武司 先生)

・講義「QAUの役割と責任」 (第一製薬梶@橋爪 武司 先生)
国内外の最新情報も取り入れ,QAUとして知って置くべき知識とQAUの資質と適正,他部署との係わり合いの方法を講義していただきました.
省令におけるQAU業務を判りやすく解説し,QAU活動に必須のガイドブック等のQ&Aもコンパクトに纏められ日常業務にすぐに役立つ内容でした.
SQA,BARQA,自社での教育システムの取り組み方法と意義に関しての説明もしていただきました.

・講義「試験計画書調査」 (田辺製薬梶@安成 千津 先生)
試験計画書調査の根拠と必要性,並びにその手順を詳細に説明され,試験計画書作成に関する留意点をガイドブックのQ&Aを参考にして解説されました.そして試験計画書調査のポイントについて詳細に列記し,内容についての説明も加えられました.最後に自社GLP適合性調査の事例報告と機構の調査員とのやり取りもまじえた講義をしていただき,受講者にとって大変参考になったようです.

7月4日(金)

・講義「現場調査」 (小野薬品工業梶@飯島 義次 先生)
GLP省令からみた現場調査の意義と重要性,試験調査と施設調査の説明,実施例と留意点を詳しく説明されました.現場調査とSOPの関係についても言及され,QAUが現場に出向くことによって数多くの情報が得られ,試験の信頼性を確保する上で重要な調査であるという観点から体系的な講義がなされました.また,各施設においては,各施設に合った調査計画を立て,試験の各段階の調査をする事により,より効率的な信頼性保証に繋がるという豊富な実務経験を話され,今後の現場調査に直結した講義内容でした.

・講義「生データ調査」  (三菱ウェルファーマ梶@山添 武司 先生)
GLP省令における生データは最終報告書の再構成に必要なもので,その「生データ」の定義と取り扱い方法について説明していただき,改めて生データの重要性を再認識できたことと思います.更に生データの種類,生データ調査における着眼点と調査チェック項目の説明,保管方法,生データに関する調査の事例報告をまじえての講義が展開されました.

・講義「最終報告書調査」  (潟{ゾリサーチセンター 井筒 稔 先生)
安全性試験の集約である最終報告書の調査の必要性とGLP省令での位置付けを話され,QAUが最終報告書を調査する上でのキメ細かな留意点を,経験談をまじえて解説して頂きました.またQAU陳述書や最終報告書変更書の調査にもふれられ,GLPやSOPを形骸化させる事無く,柔軟に捉えて運用するという考え方のご提案がありました.

毎回Basic Training Courseは,講師の方々の豊富な実務経験と知識を基に講義していただき,受講者の啓蒙と一貫したQAU調査の学習の場として継続して参りました.今今回も受講者の皆様は,仕事への新たな取り組み意欲とさまざまな知識・情報を持ち帰られた事と思います.質疑応答では,終了時間ぎりぎりまで活発な質問が飛びかい,積極性と意識の高さが感じられました.また,懇親会においても,講師の方々や受講者とざっくばらんな会話が交わされました.それらの経験が今後のQA活動に大いに役立つことを願っております.

受講者の皆様にはタイトなスケジュールの中,アンケートにご記入いただき,誠にありがとうございました.皆様のご意見を参考にさせていただき,より良いGLP担当者養成講座にしていきたいと存じます.
また快く講師を引き受けていただきました先生方には,ご多忙中の処テキスト作成などにお時間を割いていただき、衷心より感謝を申し上げます.

鞄激激潟Tーチセンター 小野美保子記

BACK
ページのトップに戻る