JSQA教育講演会『システムの品質保証のあり方』開催報告

2003年10月7日

教育委員会
日本セントコア株式会社
小河 壯公人
 平成15年9月3日、千代田区公会堂にて教育講演会を開催しました。
 今年は冷夏であり、当日の天候が気掛かりでしたが、晴天に恵まれ、暑い一日となりました。
 また、参加申し込み数は、当初の心配を払拭し、551名にもなり、盛大に開催することが出来ましたことを皆様に感謝いたします。
 教育講演会は、従来より、GLP部会及びGCP部会が共有できるテーマを選定しておりますが、今回のテーマは、『システムの品質保証のあり方』としました。ISO等の影響により、資料の品質保証が主であった時代からシステムの品質保証に主眼をおいた時代へとシフトしているものの、システムというと混沌としたイメージがあり、どうもしっくり行かない、または、システムを調査、監査する場合、具体的な対象の設定をどうするのか、調査、監査はどのように実施するのか、調査、監査の結果を効果的に指摘するにはどうすればよいか等、様々な疑問が耳に入ってきます。今回、これらの疑問に対する解決のヒントを得ること、また、GLP、GCPの枠に係らず、他分野の専門家の見解に触れることにより、俯瞰的な視野でシステムに関する知識を得ることを目標として企画しました。
 講師は、システム監査学会常任理事等を努められ、総合商社の国内外におけるシステム企画、開発、運用、保守等幅広くご活躍されている芳仲 宏先生をはじめ、日本QA研究会より、日頃、品質保証業務に携われておりますGLP部会・松橋 達男先生、GCP部会・伊藤 秀晴先生にお願いしました。
 芳仲先生からは、『システムの品質保証とシステム監査』と題し、主にシステムに関する基本概念の講演としてシステムに関する用語の説明、システム監査の目的、必要性、着眼点、フォロー等につきまして詳細なご説明を頂きました。他分野におけるシステムに対する内容でしたが、GLP、GCPにも共通する点が多く見られ、参考になったものと思います。
 松橋先生からは、『21CFR Part11対応取り組みへのGLP QAUの役割』と題し、自社における実経験を踏まえPart11対応取り組みに対する留意点、問題点等につきまして詳細なご説明を頂きました。
 益々、電子化が進む現在、各社の今後の対応に対して、有意義な情報になるものと思います。
 伊藤先生からは、『たかがシステム されどシステム  −あるGCP監査員が考えるシステムと監査とのステキな関係−』というユニークな題を掲げ、システム構築の失敗例と原因、システムの構築における留意点、システム監査へのプロセスアプローチ手法の導入等につきまして分かりやすいご説明を頂きました。
 パネルディスカッションにおきましては、事前に参加者より寄せられた質問、意見等を参考として教育委員会が作成した質問に対して、各講師よりご意見、ご回答を頂きました。
 今回は、システムの品質保証に焦点をあて、基礎から実務までの広い範囲を対象とした講演会を企画しましたが、今後も、皆様からのご要望を取り入れながら、有益な講演会を企画したいと考えております。ご希望等がございましたら、教育委員会に忌憚無く申し出て頂きたくお願いいたします。
 なお、本講演会の詳細につきましては、会報に掲載される予定です。

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