1月22日、23日の2日間、GLP担当者養成講座 第10回Advanced Course QAUスキルアップトレーニングが開催されます。前回のQAUスキルアップトレーニングがどのような雰囲気で開催されたかを感じ取っていただきたく去年の2月に開催されました、第9回Advanced Course QAUスキルアップトレーニングの開催レポートをご紹介したいと思います。

GLP担当者養成講座 第9回Advanced Course
QAUスキルアップトレーニング 開催報告
教育委員会
参天製薬(株)田飼俊宣

温暖の地とはいえ、太平洋からの寒風吹きすさぶ静岡県浜松市、浜松研修交流センターにて、2003年2月6日〜7日の2日間、GLP担当者養成講座 第9回Advanced Course を開催いたしました。今回はテーマをQAUのスキルアップとし、あらかじめ設定した演習問題をグループで討議し、グループとしての回答を出し、そしてベテラン講師陣により解説いただくという新しいスタイルで実施いたしました。その名も“QAUスキルアップトレーニング”といたしました。
この企画は去年の9月より教育委員会で議論を重ね、演習問題を捻出。途中より講師の先生方にも加わっていただき、さらに幾重もの吟味を加え作成いたしました。演習問題はただ単に日常業務で起こった事例を羅列するのではなく、QAUとして調査の際に重要と考えられる、調査の切り口・観点、調査の展開、良い指摘事項の記載方法等の考えを盛り込み作成いたしました。
QAUスキルアップトレーニングはセッションを4つに分け、各セッションではグループ討議に1時間30分、グループ発表および講師の先生方による解説に1時間30分をかけ、演習問題1問1問に対して活発な討論を行いました。
以下にスケジュールを示します。

1日目(2月6日)
  基調講演「監査の重要性について」:野村 章先生
セッションI(調査の切り口・観点):橋爪武司先生(第一製薬(株))
セッションII(調査の展開):井筒 稔先生((株)ボゾリサーチセンター)

2日目(2月7日)

セッションII(調査の展開)の続き:井筒 稔先生((株)ボゾリサーチセンター)
セッションIII(良い指摘事項の記載方法):野村 章先生
セッションIV(総合問題):橋爪武司先生(第一製薬(株))、
井筒 稔先生((株)ボゾリサーチセンター)

 今回は新しい企画のため受講者が何人来てくれるだろうかといささか心配しておりましたが、いさ蓋を開けてみれば50名の定員のところに64名の申し込みがあり、スタッフ一同うれしい悲鳴を上げておりました。
QAUスキルアップトレーニング当日は会場の机並べから始まりました。ガランとした大部屋に奥の倉庫から机と椅子を出し、6つのグループ毎の島になるように並べていきました。スタッフ、講師とも汗だくになり完了。OHP、OHP用の大型スクリーン、音響設備も調整を終え舞台は準備万端整いました。
12:30少し前になると受講者の方々が次々と来られ、受付を済ますとあらかじめ決めておいた各人のグループ席へと着席して行きました。開始2分前にはすべての受講生の方々がそろい、定刻通り13:00にスタートいたしました。
まず最初は基調講演です。基調講演には今回の目的であるQAUのスキルアップについてグループ討議をする上でより理解を深めていただくために「監査の重要性について」というテーマを設定いたしました。
基調講演が終わるといよいよグループ討議の開始です。討議の前に各グループで進行役を選んでいただきました。教育委員会より進行役の方を指名するという方法もありましたが、できるだけグループでコミュニケーションを取ってほしいという意味もあり、あえてグループ内の話し合いにより選んでいただきました。しかし、なかなか進行役が決まらないグループもありました。無理もありません。ほとんどの人が初対面でなかなか話の突破口を開きにくいからです。ある程度懇親を深めてからグループ討議に入った方がよいのですが、昼間から懇親会を開くわけにも行きませんのでこの辺は一工夫、例えば、簡単なゲームを行い、できるだけ話す機会を意図的に作るとか、をすべきと思いました。
グループ討議に入ってからは各グループとも独自の進め方で演習問題に取り組んでいました。進行役の方が中心となり、活発に討議を進めるグループ、一人一人順番に意見を出し合い取りまとめていくグループ、最初の30分間は各自でじっくり演習問題を熟読・熟考し各自の考えがまとまった頃を見計らって一揆に取りまとめていくグループと様々でした。グループ討議で一番ご苦労されたのは進行役の方ではないかと思います。スムーズにグループ討議が進むのも、意見が分かれたときに調整するのもすべて進行役の肩にかかっているといっても過言ではないかと思います。この場を借りで6名の進行役の方々にお礼を申し上げます。
グループ討議が終了し、グループ発表および講師の先生による解説に入りました。各グループとも様々な角度から検討した内容を発表され、演習問題を作成した側である私共さえなるほどそういう考え方もあるのかと納得させられるものもありました。教育委員会としては演習問題に対してあらかじめ模範解答的なものを考えておりましたが、グループ発表の中には私共もまったく予想もしなかったものもあり実際に現場で起こっている問題というものはその一つ一つに背景、経緯が異なり、回答は一つではないだということを再認識いたしました。そのあたりのことを講師の先生方は考慮され、多面的な角度より詳細な解説をしていただきました。
グループ発表時間は1グループにつき7分間としていたのですが、3分ほどで淡々と発表し終えるグループもあり私共教育委員会としては演習問題に対する問いかけの記載にもう一工夫必要ではないかと考えました。
アンケート結果からは有意義であった、良かった、ぜひ来年もという概ね肯定的な声が多く、私共としても非常にうれしく感じております。しかし、少数ではありますが、演習問題に関してどのようなことを中心に討議すればいいのかをもっと明確に示してほしいとの意見もあり、前述した発表時間の短いグループもあった要因にもつながるのではないかと考え今後の検討課題としたいと思います。

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