GLP担当者養成講座 
第11回Advanced Course 「QAUスキルアップトレーニング」 開催報告

教育委員会 GLP教育検討班
日本たばこ産業梶@長谷川真樹子

・はじめに

   今期から教育委員会は下部組織として GLP 教育検討班と GCP 教育検討班とに分かれて活動しておりますが、今回の “ GLP 担当者養成講座 Advanced Course 「 QAU スキルアップトレーニング」(以下、養成講座)”開催は、昨年 11 月の GLP 担当者養成講座 Basic Training Course に引き続き、 GLP 教育検討班としては 2 回目の活動となりました。
 今回の養成講座は、 平成 17 年 3 月 3 日、 4 日の 2 日間にわたり、浜松 ACT CITY 研修センターで開催されました。当日の受講者数は 50 名で、その内訳は QAU 46 名、 QC 2 名、試験関係者( SD 等) 1 名、 GCP 関係者 1 名です。
 今回の養成講座も前回、前々回と同様に、 QAU のスキルアップ を目的とし、演習問題をグループで討議して講師による解説を受けるという方式で「調査の観点・展開」および「より良い指導&是正措置事例の検討」について、また、前回から導入し、好評をいただいた Role Playing 方式で「よい指摘方法」について実践的な検討を行いました。更に、タイムリーな話題として「マルチサイトスタディー」を検討課題として取り上げました。


3 月 3 日 ( 木 )
・開催挨拶  ( 田飼 俊宣 教育委員会副委員長 )
・GLP 一般情勢報告  ( 中野 茂樹  GLP 部会役員 )
・オープニングレクチャー「新たな QA 調査手法の試み〜 QAU がなすべき QA レビュー」 
  (( 元 ) 第一製薬梶@橋爪 武司 先生 )

 

 QAUの役割はQCではないということは広く認知されてきましたが、実際には、多くのQAUはQC中心のチェックを行っており、QAレビューができていない状況にあること、QAレビューには、経験とともに科学的にも専門的な知識が必要なこと、QA担当者としてQCチェックとQAレビューの両方がバランスよく実施されて、初めて試験の質と信頼性が確保されること等について、オープニングレクチャーとしてご講義いただきました。
 今回の講義を聞いた受講者の方々は、本来のQA業務とは何かを改めて考えるとともに、科学的知識の必要性等を再認識されたことと思います。

・セッションI「調査の観点・展開」  (潟{ゾリサーチセンター 井筒 稔先生 )

 

 試験計画書、最終報告書および施設の調査の際に遭遇する可能性のある状況を 6つの演習問題として設定しました。問題に直面した時、QA担当者としてどのような観点で問題を捉え、考え、展開していくかをグループで討議し、発表していただきました。その後、講師の先生による解説および質疑応答形式によるディスカッションが行われました。

・セッションII「よい指摘方法Role Playing」デモンストレーションおよびグループ会議

 

 指摘することが難しいような相手や状況に対して、コミュニケーション技術によって相手を納得させる方法を検討するため、3つの演習問題を設定しました。演習に先立ち、講師の井筒先生と教育委員によるデモンストレーションが行われましたが、講師の演ずる老獪な試験責任者に、QA担当者は丸め込まれ、意図した展開とならないという一幕もありました。デモンストレーション後、グループ討議となり、第1日目が終了しました。


3 月 4 日(金曜日)
・ セッションII「よい指摘方法  Role Playing 」グループ発表・解説

 

 グループ毎に試験責任者側とQAU側に分かれて、グループ対抗のRole Playingが行われました。今回は、発表者を限定せず、グループ全員が発表でき、形勢が不利になった際にはすぐに加勢できる体制としました。双方の主張が一部かみ合わないところもありましたが、全体に白熱した議論が展開され、受講者にも好評でした。Role Playingの後の解説にもっと時間がほしかったとの意見も聞かれました。

・セッションIII「よい指導&是正措置事例の検討」((元)第一製薬梶@橋爪武司 先生)

 

 QAUの指摘事項および試験責任者等からの回答に対して、GLPの観点からその適合性、妥当性を討議し、適切な指摘方法を検討するために、 4つの演習問題を設定しました。グループでの討議および発表後に、講師の先生による解説および質疑応答形式によるディスカッションが行われました。指摘の仕方次第で、より好ましい回答が引き出せることがよく理解できたのではないでしょうか。

・セッションIV「マルチサイトスタディーに関する検討」(叶V日本科学 平井照正先生)
 

 マルチサイトスタディーについては、導入からまだ日が浅いため、課題について意見および情報の交換を行い、講師の先生からコメントをいただくという設定にしました。基礎知識として、グループ討議の前に講師の先生に「マルチサイトスタディーの実施」という題でショートレクチャーをしていただきました。グループ発表および講師の先生からのコメントの後、質疑応答形式によるディスカッションが行われました。マルチサイトスタディーについては関心が高く、多くの方が今後も続けてほしいテーマと回答されています。

・おわりに

 

 講座終了後のアンケートで、「グループ討議等で、他社のQAUとディスカッションできたことが大変為になった、有意義であった」というご意見を多くいただきました。教育委員会GLP教育検討班では、今後も、より多くの方にご満足いただけるような講座を開催していきたいと考えております。

 なお、グループ討議の円滑な進行に貢献された各グループの進行役の方には、この場を借りてお礼申し上げます。穏やかながらも活発で、熱心な討議が行われていました。

 また、快く講師を引き受けていただきました先生方には、ご多忙中、テキスト作成および教育委員との事前ミーティングなどにお時間を割いていただき、心より感謝を申し上げます。

以上


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