第14回 GLP担当者養成講座 Basic Training Course 開催報告


教育委員会 GLP教育検討班
住友化学梶@田中裕子


 教育委員会GLP教育検討班の活動としての“ GLP 担当者養成講座 Basic Training Course ”は、今期2回目を迎えました。
 今回の養成講座は、平成 17 年 7 月 21 日、 22 日の 2 日間にわたり、浜松 ACT CITY 研修センターで開催されました。 QA 実務経験 2 〜 3 年の初心者を対象として募集したところ、受講者数は 66 名と今回も盛況で、その内訳は、GLP QA 担当者 44 名の他、非 GLP 試験の QC 担当者 15 名や試験担当者の参加もありました。 GLP QA 担当者のうち、経験年数0 〜 1 年の方は 26 名、 2 〜 3 年の方は 12 名、 4 〜 7 年の方は 6 名でした。プログラムは前回までと同様「 QAU の役割と責任」「試験計画書の調査」「現場の調査」「生データの調査」「最終報告書の調査」のテーマで、「QAU の役割と責任」以外のテーマではそれぞれ講義 45 分のあと演習問題およびその解説を 45 分、さらに質疑応答 20 分の形式で行うこととし、今回は特にマルチサイト・スタディーについても盛り込んだお話を講師の先生方にお願いしました。梅雨明けの蒸し暑い気候でしたが、経験豊かな講師の講義に受講者全員が熱心に傾聴していました。

7 月 21 日 ( 木 )

開講挨拶;三浦昌己教育委員会委員長

一般情勢報告;野村章 GLP 部会長

「 QAU の役割と責任」; GXP コンサルタント 橋爪武司先生
本講義では、 GLP 試験における QAU の役割、業務およびその目的、 QAU としての心構えなどを体系的にわかりやすくご指導いただきました。参加された方々には、日々実施している QA 業務の意味や自身の立場について改めて見つめ直すよい機会になったのではないでしょうか。

「試験計画書の調査」;潟{ゾリサーチセンター 井筒稔先生
本講義では、まず、 GLP 省令に従った試験計画書についての条文、通知、解説および GLP 研修会等での解釈をわかりやすく整理して説明されました。そのあと、問題点がたくさん盛り込まれた試験計画書例についての演習問題に取り組み、受講者に試験計画書調査時の指摘を考えていただきました。講師による解答例と解説のあとも活発な質問が繰り広げられました。受講者からは指摘されなかった点がいくつかありましたが、熟練者の視点からの実践的な考え方を学ぶことができたと思います。

「現場の調査(1)」;潟xネシス 山添武司先生
1 日目は山添先生の講義のみ行われました。本講義では、 QAU は省令の条文に沿って施設、試験において何をどのように調査すべきかについての心構えと、実際の調査の手順や留意点、指摘事例などについてご指導いただきました。

懇親会
懇親会は希望者のみ参加を募りましたが、受講者の約8割が参加され、講師の先生方を交えて参加者全員、和やかな雰囲気で歓談されていました。この場で築かれたネットワークが今後も続き、いろいろな情報交換が行われるようになることでしょう。


7 月 22 日 ( 金 )

「現場の調査(2)」;潟xネシス 山添武司先生
前日に引き続き、現場の調査に関する演習問題に取り組みました。設問は現実に起こりそうな事例ばかりで、受講者も真剣に取り組んでいました。系統だった解説による解答例を示していただき、日々の現場調査での考え方が整理されたのではないでしょうか。

「生データの調査」;叶V日本科学 平井照正先生
生データの要件から始まり、どのような視点で QA 調査を実施すべきかについて、現場で即役立つ具体的な内容でご講義いただきました。演習問題でも明解な解答例を示され、受講者も熱心にメモを取り、理解を深めていました。

「最終報告書の調査」;日本臓器製薬梶@松岡隆夫先生
講義では、「最終報告書とは」という認識を新たにし、 QA 調査の心構え、調査の意味について理解を深めました。よく練られた演習問題について、受講者側からも的確な解答が得られ、よく理解されたことがうかがえました。

質疑応答
受講者から、各講義における疑問点等を質問用紙に記載し、提出していただいたものについて、各講師よりご回答いただきました。質問は今回の講座の中での疑問点のほか、受講者自身が日々の信頼性保証業務で直面した問題からの質問も多く、熟練した講師による明解な回答を熱心に聴講していました。

閉講挨拶;田飼俊宣教育委員会副委員長


 今回の講座においても、講師の先生方の工夫と熱心なご指導により、初心者 QA の基礎トレーニングとして、信頼性保証業務への取り組みについての考え方を体系的に整理する上で非常に役立ち、 Basic Training Course としての目的を果たせたのではないかと思います。講座終了後のアンケートでも、非常に参考になった、もっと勉強したかったという意見が大半で、受講者の熱意が感じられました。受講者の方々には今回得られた知識を糧として、常に向上心を持って日々の活動に邁進されますことを願います。
 また、講師をお引き受けくださいました先生方には、ご多忙中、テキスト作成および教育委員との打ち合わせ、さらに講習会後の回答資料作成などにお時間を割いていただいたこと、教育委員一同、心より感謝いたしております。


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